日時:2015年12月12日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:木村至宏氏(近江学研究所所長)
タイトル:近江の偉人たち近世「芭蕉と近江」

木村至宏所長

木村至宏所長


平成27年度近江学フォーラム会員限定講座の締めくくりは、木村所長に、ご専門の中でも特に力を入れて研究された松尾芭蕉について、熱く語っていただきました。
「近江の風景をこよなく愛したという松尾芭蕉には、大津や堅田にたくさんの門人がおり、頻繁に彼らを訪ねてこの地にやってきた。晩年には、石山に幻住庵、膳所に無名庵を築き、大津絵の筆のはじめは何仏、鎖(じょう)あけて月さし入れよ浮御堂、など有名な句を残した。」など、芭蕉の生涯が年表でじっくり紹介されました。
最後に木曽(源)義仲に対する芭蕉の思いと、その思いによって芭蕉の亡骸が大阪から、大津に移され、木曽義仲の墓所の隣に葬られたという話が語られ、芭蕉という偉大な人物と、近江という風光明媚で歴史文化風土豊かな土地との素晴らしい出会いがあったと締めくくられました。


■講演内容
芭蕉は42歳のとき初めて近江を訪れました。
その後、木曽義仲の眠るそばの無名庵を定宿にし、多くの門人と交遊し、「行く春を近江の人と惜しみける」などの名句を残します。とくにこよなく近江の風景を愛した芭蕉が、近江を第二の故郷にした経過を探ります。

■講師プロフィール

1935年滋賀県生れ。大谷大学大学院文学研究科中退。大津市歴史博物館初代館長。成安造形大学教授を経て2000年同大学学長。‘09年成安造形大学名誉教授・同大学附属近江学研究所所長。‘96年第40回京都新聞文化賞受賞。‘04年滋賀県文化賞受賞。‘13年平成25年地域文化功労者文部科学大臣表彰
主な著書「琵琶湖‐その呼称の由来」(2001サンライズ出版)、「日本歴史地名大系滋賀県の地名」(1991共編著 平凡社)他多数