近江学研究所の活動の進捗 | 研究員の活動

連続講座「近江~受け継ぐかたち-びわ湖真珠のもつ潜在能力に迫る」講座報告

日時:2018年11月10日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:杉山 知子 氏 (神保真珠商店店長)
対談:石川 亮 (本学准教授、近江学研究所研究員)
タイトル:2018年度 連続講座「近江のかたちを明日につなぐ」第3回「近江~受け継ぐかたち-びわ湖真珠のもつ潜在能力に迫る-」
講座内容
大津市東海道沿いにお店を構える神保真珠商店は長年びわ湖で淡水真珠を養殖される方々との信頼関係を保ち良質な淡水真珠を発信、提供されてきました。淡水真珠を養殖し、宝飾品としてかたちになるには様々な条件が整い、多くの人の手に渡ってようやくその輝きを放ちます。それは時代の波に左右されない思い、自然と向き合う姿勢と丁寧なものづくりを持続する努力に他ありません。真珠を作り出すイケチョウガイの貝殻の美しさを生かした新たな展開にも迫ります。
講師プロフィール
杉山 知子 氏 (神保真珠商店店長)
1974年 滋賀県大津市生れ。’95年 平安女学院短期大学卒業。’96年日本アートスクール卒業。’96年 GEAプロセスエンジニアリング株式会社 でCAD設計として勤務を経て、’14年 家業の神保真珠店に入社。県庁前に実店舗をオープン。’17年 店舗を拡張し、煎茶サロンを併設。神保真珠店は、1954年親戚が有限会社神保真珠を創業、養殖を開始。’62年竹治の長男・神保恵一が神戸に神保真珠貿易を設立(伊吹末次郎が関わる)。’66年 祖父・伊吹末次郎が神保真珠商店を開業。
石川 亮 (本学准教授、近江学研究所研究員)
1971年、大阪府生まれ。1995年京都精華大学美術学部造形学科卒業。現在成安造形大学准教授。美術家。交通インフラやのそのシステムの興味から作品制作を始める。近年は国内の神仏にゆかりのある地に出向き、その場所の持つ性質やルーツを探ることが作品制作の糸口になっている。近作に地域伝承や地名をもとに名付けられた湧水を収集した作品「全体‐水」は個々の水が混ざりあい一つになるプロセスを作品にしている。宗教観と自然観を生活の中に取り込み、自然と対峙しながらも共存してきた日本人の感覚に注目している。

講師 杉山知子さん

講師 杉山知子さん


石川亮研究員との対談をしながら、お話しをお聞きしました

石川亮研究員との対談をしながら、お話しをお聞きしました



関連企画 
近江のかたちを明日につなぐ展vol.11「近江~受け継ぐかたち-びわ湖真珠のもつ潜在能力に迫る-」

会期 11月1日(木)~11月10日(土)
場所 聚英館1階 情報発信ギャラリー
本講座に合わせた関連企画「近江のかたちを明日につなぐ 展 vol.11」として、びわ湖真珠やそれを産み出す池蝶貝を利活用した様々なクラフトの展示を行いました。
展示において2015年本学地域連携推進センターが滋賀県水産課のプロポーザル「ビワパールまるごとブランディング事業」の採択を受け、滋賀県内の様々な技術者や発信者と手を組んで取り組んだ成果の一部を紹介します。
主催|成安造形大学附属近江学研究所
協力|神保真珠商店、中川木工芸比良工房、COMMUNE、NOTA &Design 、成安造形大学 キャンパスが美術館 他


連続講座「近江~暮らしのかたち-琵琶湖の生業」講座報告

日時:2018年10月27日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:澤村 芳幸 氏 (漁師)、松井 芳之 氏 (小松水産株式会社代表取締役社長)
対談:加藤 賢治(本学准教授、近江学研究所研究員)
タイトル:2018年度 連続講座「近江のかたちを明日につなぐ」第2回「近江~暮らしのかたち-琵琶湖の生業」
講座内容
「待ちの漁法」といわれる琵琶湖独特の「エリ漁」。魚の習性を利用して、「つぼ」と呼ばれる数か所ある仕掛けに誘導し、集まってきた魚をすくい捕る漁法である。コアユ、ワカサギ、モロコ、コイ、フナ、エビなど「つぼ」入る獲物は季節によって異なる。天候にも左右されながら、自然とともに暮らすエリ漁師の1日に密着し、その暮らしを紹介する。また、オイサデ漁や地引網など、かつては盛んに行われていた漁法や、現在行われている漁など豊かな琵琶湖の水産業を現況を解説。湖と生きる人の生業の昔と今を追い、暮らしの幸福度についても考えます。
講師プロフィール
澤村 芳幸 氏 (漁師)
志賀町漁業共同組合(滋賀県大津市)の漁師。
松井 芳之 氏 (小松水産株式会社代表取締役社長)
滋賀県大津市北小松で小松水産業を営む。
加藤 賢治(本学准教授、近江学研究所研究員)
1967年、京都市生れ。立命館大学産業社会学部卒業、高等学校地歴科・中学校社会科 非常勤講師を経て、1997年成安造形大学事務局勤務。現在、同大学准教授・附属近江学研究所副所長・研究員として滋賀県をフィールドに宗教民俗の研究を続けている。

講演にお招きした(左)漁師の澤村芳幸さん、(右)水産業を営む松井芳之さん。

講演にお招きした(左)漁師の澤村芳幸さん、(右)水産業を営む松井芳之さん。


加藤賢治研究員との対談でした

加藤賢治研究員との対談でした







関連企画 
近江のかたちを明日につなぐ展vol.10「近江~暮らしのかたち-琵琶湖の生業」

会期 10月24日(水)~10月27日(土)
場所 聚英館1階 情報発信ギャラリー
本講座に合わせた関連企画「近江のかたちを明日につなぐ 展 vol.10」として、加藤研究員が北小松のエリ漁を取材した際の写真スライドショーを展示しました。

連続講座(写生会)「淡海の夢2018 」近江八幡・八幡堀と城下町写生会 報告

日時:2018年9月22日(土)9:30~17:30
場所:近江八幡市 八幡掘周辺
講師:永江 弘之 (本学教授 本研究所研究員)、待井 健一(本学非常勤講師)
タイトル:2018年度 連続講座(写生会)「淡海の夢2018 」近江八幡・八幡堀と城下町写生会
講座内容
琵琶湖を中心とした棚田・里山、湖国の風景は今、次世代に引き継ぎたい美しく貴重な日本の原風景として広く注目されています。「淡海の夢」は、年2回の写生会と公募風景展を通して、近江の素晴らしさを体感し固有の価値を再発見する講座です。成安造形大学の教員が、風景写生のコツをレクチャーし、講評会を実施します。「プロのアドバイスを受けられるチャンス」とご好評いただいております。ぜひお申込みください。
【写生会場について】
近江八幡は、豊臣秀次が築いた八幡山城下町から発展した近江商人と水郷の町。八幡堀周辺や豪商たちの白壁の土蔵や旧家が建ち並ぶ旧市街地は、国の重要文化的景観の第1号と重要伝統的建造物群保存地区に選定され、歴史情緒を感じる風景が魅力です。
永江 弘之 (本学教授 本研究所研究員)
1960年大阪府生まれ。大阪教育大学教育学部卒業。中学校美術科教諭を経て、2003年成安造形大学講師となり、現在、成安造形大学芸術学部芸術学科イラストレーション領域教授、08年から同大学附属近江学研究所研究員。近江学研究所公開講座「淡海の夢」(写生会・公募展)企画責任者。近江の風景に魅せられ、色彩感あふれる写実風景画や幻視風景画を制作。

朝のレクチャーの様子

朝のレクチャーの様子




講師の永江研究員によるアドバイスを受ける受講者さん

講師の永江研究員によるアドバイスを受ける受講者さん


永江研究員の写生の様子

永江研究員の写生の様子


講師の待井先生

講師の待井先生


講評の様子

講評の様子

連続講座「近江~記憶と記録のかたち-8ミリフィルムからみる近江の暮らし-」講座報告

日時:2018年6月30日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:おうみ映像ラボ(長岡野亜、大原歩、大藤寛子、藤野ひろ美)
ゲスト:吉岡 博行 氏 (映像技師・株式会社吉岡映像代表取締役)
タイトル:2018年度 連続講座「近江のかたちを明日につなぐ」第1回「近江~記憶と記録のかたち-8ミリフィルムからみる近江の暮らし-」
講座内容
滋賀県内のくらしや文化を記録する映像の発掘・発信をしている「おうみ映像ラボ」。映像を通して、地域に引き継がれた技術や知恵・共同体の姿に「共感する場」をつくることを目的に活動しています。本講座は「8ミリフィルム発掘プロジェクト」の中で提供された滋賀県各地(主に草津・彦根・能登川等)のフィルムを映像技師の吉岡氏にお話しを伺いながら映写機やプロジェクターで上映します。また、地域における映像アーカイブのネットワークの可能性を探ります。
おうみ映像ラボ
長岡野亜、大原歩、大藤寛子、藤野ひろ美
2014年より滋賀県全域を対象にくらしや文化を記録する映像の発掘・発信をしている。少人数で鑑賞する「見聞会」、100人規模の「上映会」、映像の制作背景に出会い撮影地を訪ねる「遠足」などを行う。’16年から「8ミリフィルム発掘プロジェクト」を実施。’14~17年 滋賀県「美の滋賀」地域づくりモデル事業受託。’17年「文化で滋賀を元気に賞―映像を未来につなぐ文化賞」受賞。
ゲスト 
吉岡 博行 氏 (映像技師・株式会社吉岡映像代表取締役)
1955年京都生れ。44歳でフィルムの修復を始める。’98年吉岡映像設計事務所設立。’08年株式会社 吉岡映像へ移行。8mmフィルム、16mmフィルム、9.5mmフィルムの修復と、映画フィルムをビデオ・DV・DVD等に変換する作業「テレシネ」を行う。10年間におよそ5000本ものフィルム修復をてがける。
詳細は後日ご報告します。

8ミリフィルムについて解説する 吉岡氏

8ミリフィルムについて解説する 吉岡氏


8ミリフィルムを撮影した小林さんに、フィルムを見ながら解説いただいた。

8ミリフィルムを撮影した小林さんに、フィルムを見ながら解説いただいた。


小林さん撮影の8ミリフィルム 大津市仰木地区のお正月準備の餅つきの様子

小林さん撮影の8ミリフィルム 大津市仰木地区のお正月準備の餅つきの様子


8ミリフィルム映像を提供いただいた岸野さんと大原研究員

8ミリフィルム映像を提供いただいた岸野さんと大原研究員


岸野さんが提供した8ミリフィルム「琵琶湖一周大学駅伝」の一場面

岸野さんが提供した8ミリフィルム「琵琶湖一周大学駅伝」の一場面


実際に8ミリ映写機を使って8ミリフィルムを見ました。

実際に8ミリ映写機を使って8ミリフィルムを見ました。


8ミリフィルムの魅力について解説する長岡氏

8ミリフィルムの魅力について解説する長岡氏

後半は映像の記録や保存、その活用について対談形式で進みました。

後半は映像の記録や保存、その活用について対談形式で進みました。

『紀要 第5号』を発刊・WEB公開します!

紀要第5号

紀要第5号

2015年度近江学研究所『紀要』第5号を発刊しました。
近江に関する論考・研究調査報告など6点が発刊されました。
今年度からは、近江学研究所の客員研究員が寄稿もあり、充実した紀要となりました。
また、電子化し、WEB公開することになりましたので、ぜひ、ご覧ください。
= 紀要 第5号 目次 =
1、福家俊彦(天台寺門宗総本山三井寺執事長・本研究所客員研究員)
「町田久成と三井寺法明院」
2、水本邦彦(京都府立大学名誉教授、長浜バイオ大学名誉教授・本研究所客員研究員)「堅田藩の百姓一揆 -安永八年(一七七九)の代表訴訟-」
3、永江弘之(本研究所研究員・本学教授)・大原歩(本研究所研究員)
「生活文化の聞き取り調査、及び、仰木ふるさとカルタ制作」後編
4、吉村俊昭(本研究所研究員・本学教授)
「近江の絵馬」現況調査 調査報告2
5、石川亮(本研究所研究員)
「近江の水をめぐる3」
6、加藤賢治(本研究所研究員)
「真野法界寺の六斎念仏~大津市真野中村の念仏講が繋ぐコミュティの現状と課題~」
ダウンロードは>>> こちらから 
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成安造形大学附属近江学研究所紀要 第5号
発行日 平成28年3月24日
発行者 木村至宏
編集  成安造形大学附属近江学研究所
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日吉大社赤鳥居前に「日吉山王宮曼荼羅」の境内図を奉納(記者発表報告)

「日吉山王宮曼荼羅(ひえさんのうみやまんだら)」 (原画2枚組みを撮影し、PCにて合成編集)

「日吉山王宮曼荼羅(ひえさんのうみやまんだら」
(原画2枚組みを撮影し、PCにて合成編集)

成安造形大学美術領域日本画コースの学生有志が、2015年5月から7カ月間取組んできた「日吉山王宮曼荼羅(ひえさんのうみやまんだら」が完成いたしました。
先人の画業に触れながら、室町時代に描かれた日吉大社蔵 紙本彩色「日吉山王宮曼荼羅図」を基に現代版として原画を制作するというプロジェクトの成果です。
監修・指導として、近江学研究所の吉村研究員が関わりました。
完成に際し、12月15日(火)日吉大社にて、お披露目の記者会見が行われました。
当日は、2016年の干支絵馬のお披露目も合わせて行われ、赤鳥居の前で、絵馬の奉納の神事が行われました。

境内図として設置されました

境内図として設置されました

奉納の神事

奉納の神事

奉納の神事

奉納の神事

奉納された「日吉山王宮曼荼羅」の前で、記念撮影。 左から 馬渕宮司、橋爪さん、梶浦さん、今岡さん、吉村研究員、須原禰宜

奉納された「日吉山王宮曼荼羅」の前で、記念撮影。
左から 馬渕宮司、橋爪さん、梶浦さん、今岡さん、吉村研究員、須原禰宜

取材の様子

取材の様子

奉納の後は、社務所の2階にて記者会見。
吉村研究員はじめ、原画制作に中心的に関わった学生3名、今岡一穂さん(美術領域アシスタント、美術領域日本画コース卒業生)、梶浦隼矢さん(美術領域日本画コース研究生)、橋爪千夏さん(美術領域日本画コース3年生)が出席し、制作への想い、難しかったところなどお話をしました。
日吉大社の矢部禰宜は、「桃山時代~室町時代に描かれた山王宮曼荼羅の現代版が、今描かれることに意味があると感じている」とおっしゃっていました。

社務所にて記者会見

社務所にて記者会見

馬渕宮司のご挨拶

馬渕宮司のご挨拶

吉村俊昭研究員

吉村俊昭研究員

美術領域日本画コース卒業生・美術領域アシスタント  今岡 一穂さん

美術領域日本画コース卒業生・美術領域アシスタント 
今岡 一穂さん

美術領域日本画コース研究生 梶浦隼矢さん

美術領域日本画コース研究生
梶浦隼矢さん

美術領域日本画コース3年生 橋爪千夏さん

美術領域日本画コース3年生
橋爪千夏さん

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「日吉山王宮曼荼羅」制作について
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〈解説〉
日吉山王宮曼荼羅(ひえさんのうみやまんだら)は、中央に八王子山を配し社殿草木を俯瞰的に描いた、室内に置ける観相のために描かれた礼拝図である(大津市歴史博物館「比叡山」図録より)。日吉山王宮曼荼羅は鎌倉時代から江戸時代にかけて多く描かれ諸所に名品が残る。
現代の宮曼荼羅図を描くにあたり、比叡山延暦寺蔵、日吉大社蔵の絹本宮曼荼羅図を参考に、礼拝図よりも境内図としての説明要素を強調しながら、遥拝対象の社殿、磐、草木を具体的に描くように努めた。何分、大きな宮曼荼羅となるため、1/4の草稿(下書き)作成から1/2の原画作成、写真データによる拡大図と3段階の制作過程を踏み、日吉神社から社殿、遥拝所の説明を受けながら描き進めた。
霞による遠近の表現や、自然風景を柔らかく抒情的に描くやまと絵の画風を取り入れて画面構成するのは、日本画専攻の学生にとっても日常の作品表現とは異なる。社殿草木の象徴的な形や色彩の表現については、幼いころより現代的な写実表現を基礎にしてきた経験とは異質であり、かなりの戸惑いがあった。しかし、伝統的な和の表現技法や線描、金泥紛や岩絵具など描画材料の扱いはかえって新鮮に映り、学生の日常制作に新たな視点を与えたといえる。
礼拝図の要素は少なくなっているが、多くの参拝の方々に境内図として見ながらも、礼拝の気持ちで現代の日吉山王宮曼荼羅の美しさを楽しんでいただければ嬉しく思います。           (吉村俊昭)

 紙本彩色「日吉山王宮曼荼羅図」(一部)

紙本彩色「日吉山王宮曼荼羅図」(一部)

「日吉山王宮曼荼羅(ひえさんのうみやまんだら)」 (原画2枚組みを撮影し、PCにて合成編集)

「日吉山王宮曼荼羅(ひえさんのうみやまんだら」
(原画2枚組みを撮影し、PCにて合成編集)

日吉山王宮曼荼羅 原画のデータ
外 形  縦120cm×横180cm
制作期間 2015年5月~2015年11月
作図指導 吉村 俊昭(よしむら としあき/成安造形大学 芸術学部教授、近江学研究所研究員)
制作者
吉村 俊昭(よしむら としあき/成安造形大学 芸術学部教授、近江学研究所研究員)
今岡 一穂(いまおか かずほ/美術領域アシスタント、美術領域日本画コース卒業生)
梶浦 隼矢(かじうら じゅんや/美術領域日本画コース研究生)
橋爪 千夏(はしづめ ちなつ/美術領域日本画コース3年生)
大野久留実(おおの くるみ/美術領域日本画コース3年生)
土師志津佳(はぜ しづか /美術領域日本画コース2年生)
前田 彩乃(まえだ あやの/美術領域日本画コース2年生)
奉納先  山王総本宮日吉大社
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マスコミにも紹介されました
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朝日新聞 「申の大絵馬登場 学生作、境内図も 日吉大社」(滋賀版)2015年12月20日付けhttp://www.asahi.com/articles/ASHDH3GB3HDHPTJB008.html

淡海の夢2015風景展関連企画 アーティストトークを行ないました

日時:2015年12月12日(土)15:00~16:30
場所:成安造形大学 I棟プレゼンルーム
講師:永江弘之(イラストレーション領域准教授・本学附属近江学研究所研究員)、待井健一(イラストレーション領域非常勤講師)
タイトル:淡海の夢2015風景展 アーティストトーク

左:待井先生 右:永江先生

左:待井先生
右:永江先生


12月8日(火)からギャラリーアートサイトにて開催している「淡海の夢2015風景展」の関連企画として、12月12日(土)アーティストトークを行ないました。
講師は、ファンタジックな風景画をてがける待井健一先生(イラストレーション領域非常勤講師)と、本展覧会や写生会の企画者で、主にアクリル絵具で風景画を描く永江弘之(イラストレーション領域准教授・本学附属近江学研究所研究員)が担当しました。
まず、待井先生の原画を見せていただき、どのような風景画を描いているかを知ってから、お二人それぞれの風景画を描く魅力について語っていただきました。
また、「淡海の夢2015風景展」の入賞作品についての講評をスライドで作品をみながら行いました。
約25人の出品者や学生、教員の皆さんが参加され、熱心にメモをとりながら聞き入っていました。


原画を見ながら、風景画の魅力について解説

原画を見ながら、風景画の魅力について解説


スライドで受賞作品の総評を行いました

スライドで受賞作品の総評を行いました


プレゼンルームでのレクチャーが終わった後は、展覧会場にて出品者の皆さんの作品について解説を行うなど、18時近くまで会場はにぎわいました。
寒い中お越しいただいた皆さま、ありがとうございました。
展覧会は12月19日(土)まで開催中です。

《展覧会の様子を映像で撮影しました(1分30秒)》
「淡海の夢2015風景展」、そして同時開催している「湖国を描く絵画展」の様子を映像でまとめました。
永江弘之研究員のインタビューも入っています。ご覧ください。※この映像は、びわこ放送で放映されました。
撮影・編集:新立翔(地域連携推進センター)

第7回近江学フォーラム現地研修 開催


2015年10月3日(土)、第7回目近江学フォーラム現地研修が行なわれました。
今年のテーマは、「近江の偉人の足跡を訪ねて」です。
近江学フォーラム会員限定講座として、9月26日(土)に「俳人・森川許六の絵画」と題して、大彦根城博物館学芸員の髙木文恵氏より講演いただき、現地研修で訪れる彦根の井伊家ゆかりの禅寺龍潭寺の森川許六の襖絵について、事前勉強を行ないました。

(撮影:津田睦美研究員)

(撮影:津田睦美研究員)


今年は近江の偉人を訪ねる現地研修です。
近江商人伊藤忠兵衛の生家、ヴォーリズ建築、彦根藩主井伊家ゆかりの寺、近世の俳人・絵師 森川許六の襖絵、小堀遠州作庭と伝わる庭など、それぞれの人物の足跡をたどりました。
当日は、現地研修を始めて一番のお天気に恵まれ、東京や福岡、和歌山、岡山などの遠方や、兵庫、大阪、京都、滋賀の京阪神から近江学フォーラム会員80名の方がご参加いただきました。
バス2台に分かれて、コースをめぐり、各箇所では解説を行いました。
多賀大社 参集殿

多賀大社 参集殿


昼食は、多賀大社参集殿へ。
昼食前には、多賀大社片岡禰宜によるごあいさつと、
食後は、木村所長によるミニレクチャーがあり、今回取り上げた偉人と彦根地域にまつわる歴史・文化のお話がありました。
ご挨拶   多賀大社 片岡禰宜

ご挨拶  
多賀大社 片岡禰宜


木村至宏所長によるレクチャー

木村至宏所長によるレクチャー


[コース案内]
■ 浄土宗 宗安寺/彦根市
佐和山城正門を移築した赤門がある宗安寺。石田三成の念持仏「千体仏」、本尊の阿弥陀如来像は淀殿の念持仏が祀られる。また大坂夏の陣で敗れた豊臣方の勇将木村重成の首塚でも知られています。
吉村俊昭研究員と加藤賢治研究員による木村重成の首塚の解説も行いました。
 
浄土宗 宗安寺 佐和山城正門を移築した赤門

浄土宗 宗安寺
佐和山城正門を移築した赤門



木村重成の首塚(撮影:津田睦美研究員)

木村重成の首塚(撮影:津田睦美研究員)


■ 臨済宗龍潭寺 /彦根市
井伊家発祥の地、井伊谷(現静岡県浜松市)から移建し開山した井伊家の菩提寺。
森川許六筆による山水・人物・花鳥・走獣など多様な襖絵、昊天和尚と小堀遠州合作と伝わる「鶴亀蓬莱庭園」など、井伊家との縁が深く、見所が多いお寺でした。
小嵜善通研究員による森川許六についての解説と、住職による 龍潭寺の歴史や庭園の解説を聞き、堪能しました。
臨済宗  龍潭寺

臨済宗  龍潭寺


(撮影:津田睦美研究員)

(撮影:津田睦美研究員)


住職による解説 (撮影:津田睦美研究員)

住職による解説
(撮影:津田睦美研究員)


森川許六筆と伝わる襖絵 (撮影:津田睦美研究員)

森川許六筆と伝わる襖絵
(撮影:津田睦美研究員)


■ 多賀大社
「伊邪那岐大神は淡海の多賀に坐すなり」(古事記712年)とあり、古くから多賀の地で、熊野・伊勢と並び厚い信仰を集める。多賀大社の総本山。多賀大社前の絵馬通りのおみやげ物も楽しみました。
多賀大社

多賀大社


■ 伊藤忠兵衛記念館/犬上郡 豊郷町
伊藤忠・丸紅の創始者、初代伊藤忠兵衛の旧邸、二代忠兵衛の生家である豊郷本家。繊維卸から「総合商社」への道を拓いた その足跡を見学しました。
記念館ボランティアスタッフの方が解説くださいました。
伊藤忠兵衛記念館 (撮影:津田睦美研究員)

伊藤忠兵衛記念館
(撮影:津田睦美研究員)


ガイドによる解説 (撮影:津田睦美研究員)

ガイドによる解説
(撮影:津田睦美研究員)


■ 豊郷小学校旧校舎群/犬上郡 豊郷町
昭和12年に竣工された「豊郷尋常高等小学校」。
丸紅の専務である古川鉄治郎による私財3分の2もの寄付を元に、ヴォーリズが設計され「東洋一の小学校」といわれた。地域のボランティアガイドの解説に合わせて、館内をめぐり、「貴賓室」「理科室」など特別見学しました。
豊郷小学校旧校舎群 (撮影:津田睦美研究員)

豊郷小学校旧校舎群
(撮影:津田睦美研究員)


豊郷小学校旧校舎講堂 (撮影:津田睦美研究員)

豊郷小学校旧校舎講堂
(撮影:津田睦美研究員)


(撮影:津田睦美研究員)

木村所長・加藤研究員 大津歴史博物館企画展「比叡山―みほとけの山―」関連講座

展覧会チラシ01 千手観音立像 平安時代 比叡山延暦寺蔵

展覧会チラシ01 千手観音立像 平安時代 比叡山延暦寺蔵



大津市歴史博物館では、開館25周年を記念した企画展(第68回企画展)「比叡山―みほとけの山―」を開催されます。
その関連講座を8回企画されており、近江学研究所からも木村至宏所長、加藤賢治研究員が講演されます。
とても貴重で興味深い展覧会や講座となっておりますので、ぜひご参加ください。
以下WEBサイトより抜粋
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開館25周年記念企画展(第68回企画展)「比叡山―みほとけの山―」
平成27年 10月10日(土)~11月23日(月・祝)
時間:9時~17時(展示室への入場は16時30分まで)
休館:10月13・19・26日、11月2・4・9・16日
会場:大津市歴史博物館
観覧料:一般:1000円(800円) 高校・大学生:500円(400円) 小中学生:300円(240円)
※( )内は、前売、15名様以上の団体。および、大津市内在住の65歳以上の方、大津市内在住の障害者の方の割引料金(証明するものをご提示ください)。
大津市と京都市をまたぎ、古来より信仰の山として崇められた比叡山に、伝教大師最澄が延暦寺を建立したのは延暦7年(788)のことです。それ以来、平安京を守護する山として多くの崇拝を集め、延暦寺は天台宗の総本山として日本の仏教界の中心を担っていきます。山内には平安仏教の根本道場として、多くの堂舎や山坊が林立し、膨大な数の仏像や仏画が造像、安置されました。さらに広範囲にわたる山麓にも里坊や関連寺院が多く建立され、全体として巨大な霊山を形成しました。
 今回、大津市歴史博物館では、大津が育んだ重要な文化の一つである比叡山の仏教文化について紹介します。広範囲にわたる比叡山の山麓に伝わる仏像や仏画、さらには比叡山の知識の宝庫、叡山文庫の古文書や絵図などを展示することで、その秘められた美しさと歴史を紹介します。
【比叡山では】
 伝教大師最澄ご生誕1250年の記念の年を平成28年(2016)にむかえる予定で、さらに慈覚大師円仁や恵心僧都源信、建立大師相応和尚といった高僧の記念の期間にあたり、祖師先徳鑽仰大法会が行われています。
■チラシPDF >>> こちらから
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企画展「比叡山―みほとけの山―」関連講座
■比叡山の歴史―その特質と教え―
武 覚超氏(比叡山求法寺住職、叡山学院教授)
平成27年10月17日(土) 14:00~15:30
 比叡山は、伝教大師最澄(766~822)によって開かれ、後の鎌倉時代には各宗各派の祖師・高僧を数多く輩出したので、日本仏教の母山と呼ばれています。本講座では、比叡山仏教の基礎を築いた祖師方を紹介した上で、その特質と教えについて論究をすすめていきます。
【申込締切】10月7日(水) 【参加料】500円
■比叡山と近江
木村 至宏氏(成安造形大学近江学研究所長)
平成27年10月24日(土) 14:00~15:30
 日本の宗教文化の聖地比叡山の存在は、日本の歴史文化の構築のうえにおいて、大きな影響を及ぼしてきました。一方、大湖琵琶湖をもつ近江も、比叡山と深い相関関係を有してきました。ここでそのかかわりの諸相について、年代を追って探ってみたいと思います。
【申込締切】10月14日(水) 【参加料】500円
■横川の元三大師良源とその信仰
加藤 賢治氏(成安造形大学近江学研究所研究員)
平成27年11月7日(土) 14:00~15:30
 元三大師良源は、大火によって荒廃していた延暦寺の復興や、僧侶の規律の粛正などの改革を行ったことから、比叡山中興の祖といわれています。それらの偉業を背景として、豆(魔滅)大師、角大師、鬼大師などの別称とともに、お大師さまと親しみを込めた呼び名で全国に広がる民間信仰が存在します。また、三十三観音の化身、おみくじの創始者など、良源を取り巻く伝承を取りあげるときりがありません。伝承の一部を紹介しながら、元三大師の魅力に迫ります。
【申込締切】10月28日(水) 【参加料】500円
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連続公開講座 吹田政雄氏「高島扇骨と近江扇子」報告

日時:2015年9月12日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:吹田政雄氏(有限会社すいた扇子2代目)
対談:大原歩(近江学研究所研究員)
タイトル:「近江~風のかたちー高島扇骨と近江扇子ー」

講師 吹田 政雄 氏 (有限会社すいた扇子2代目)

講師 吹田 政雄 氏
(有限会社すいた扇子2代目)

9月12日(土)、連続公開講座「近江のかたちを明日につなぐ」シリーズの3回目の講演会を
滋賀県高島市安曇川町にて高島扇骨や近江扇子を製造販売を継承し、2代目となる吹田政雄さんをお迎えして開催しました。
対談は、大原歩研究員が行ないました。
扇子ができるまでを解説

扇子ができるまでを解説

仲骨が全員に配られました

仲骨が全員に配られました

はじめに、吹田政雄さんから、「扇子ができるまで」の作業工程過程を実際の道具を見せながら解説。
その後、作業工程の中の「締直し」の作業をご披露いただき、締直しの作業前と作業後の違いを触って感じさせていただきました。
扇骨の仲骨の「締直し」作業

扇骨の仲骨の「締直し」作業

職人の技を触って感じる

職人の技を触って感じる

そして、後半は、大原研究員が吹田政雄さんに質問する形式で、扇子ができるまでに多くの職人が分業し、組織で扇子をつくる仕組みについてや、国産扇骨の90パーセントが高島扇骨であり、そのほとんどが京扇子として販売されている事実とその歴史について。
また、吹田さんが扇子の伝統産業として行われている「絵付け体験」や、地元の方々と協働で立ち上げた安曇川沿いの竹林を整備し、安曇川産の扇骨を復活させる活動の「竹林整備組合」についてを聞かせていただきました。
大原研究員(左)と対談

大原研究員(左)と対談

また、昨年滋賀県扇子工業協同組合と成安造形大学が取組んだ扇骨だけでつくる扇子「扇骨扇子」のデザイン提案の事業についても紹介し、高島発の新しい試みが始まっていることも話されました。
高島の「地場」で350年の歴史ある伝統産業は、一人ひとりの職人と、その地域のネットワークで育まれているということが伝わる講演となりました。
【講演内容】
近江の伝統産業として約350年の歴史を誇る扇子の骨格である高島扇骨。 全国の生産量の約90%を占めることはあまり知られていません。 扇骨の生産工程は親骨で18工程もありすべて手作業で行われます。 15歳で扇骨職人となり滋賀県扇子工業協同組合前理事長である吹田政雄氏をお招きし、その繊細で複雑な加工作業を見せていただきます。 また、近年取り組む地元の若手職人が設立した「SENKOTSU工房」や安曇川の竹林整備などについてなど、新たな「近江扇子」の未来を語っていただきます。
【吹田 政雄 氏プロフィール】
1948年滋賀県生まれ。1963年15歳で、有限会社「すいた扇子」2代目の扇骨職人となる。2007年~2015年滋賀県扇子工業協同組合理事長。工房には、扇子の絵付け体験や扇子作りを学ぶスペースをつくり、地元や観光客に地場産業を学ぶ取り組みを精力的に行っている。
【すいた扇子】について詳しくは「高島市観光協会」>>>こちらから
【関連企画】 
近江のかたちを明日につなぐ展 vol.3「高島扇骨と近江扇子」
2015年9月1日(火)~9月25日(金)12:00-18:00
休館日:日祝 ※ただし、9月12日(土)は開館
会場:聚英館1階フロア
詳しくは>>>こちらから
「高島扇骨と近江扇子」展 成安造形大学聚英館1階

「高島扇骨と近江扇子」展
成安造形大学聚英館1階

滋賀県扇子工業協同組合と成安造形大学が取組んだ「扇骨扇子」パネルと試作扇子

滋賀県扇子工業協同組合と成安造形大学が取組んだ「扇骨扇子」パネルと試作扇子

近江扇子の展示・販売
2015年9月8日(火)~9月25日(金)11:00-18:00
会場:カフェテリア「結」内ミュージアムショップ
Closed on Sundays/日祝休館

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