淡海の夢2016堅田・湖族の郷写生会 報告

日時:2016年6月18日(土)
場所:大津市堅田地区
講師:永江弘之(本学イラストレーション領域教授・近江学研究所研究員)
講師:待井健一(本学非常勤講師)
タイトル:淡海の夢2016 堅田・湖族の郷写生会
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当日は暑いくらいの快晴となりました。太陽の光で湖面が輝く中、堅田ならではの漁業の営み、湖、船、路地などのたくさんのモティーフを写生されました。
講評では、永江研究員・待井先生の写生作品も紹介され、的確なアドバイスを参加者のみなさんは熱心に聞いておられました。参加者の作品では水彩の作品以外にもヨシペンなどを使った作品などもありバラエティーに富んだ内容にたいへん盛り上がりました。

堅田漁港にて写生の解説をする永江研究員と待井先生

堅田漁港にて写生の解説をする永江研究員と待井先生


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講評の様子。(左:永江研究員・右:待井先生)

講評の様子。(左:永江研究員・右:待井先生)

連続公開講座 近江のかたちを明日につなぐ「鮒寿しとその環境が教えてくれること」報告

日時:2016年6月11日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:左嵜 謙祐 氏(魚治七代目治右衛門・熟鮓職人)
対談:石川 亮(近江学研究所 研究員)
タイトル:近江のかたちを明日につなぐ「近江~受け継ぐかたち 鮒寿しとその環境が教えてくれること」
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今年度はじめの、連続公開講座は、受け継ぐかたちとして、高島市マキノの海津で、江戸中期創業の老舗「魚治」の7代目左嵜謙祐氏にご登壇いただきました。
石川亮研究員との対談で講座がはじまり、鮒寿しの歴史から、鮒寿しのつくり方、ニゴロブナの話しなど、鮒寿しづくりの左嵜氏の丁寧な仕事が紹介されました。
その後、最も強調されたのが、海津という場所の風土です。「江戸時代には港町、宿場町として栄えた海津で、魚屋(うおや)として出発した「魚治」はその風土の中で育った。清い水と、水田、そして鮒という3つの資源がこの地に豊富にあったことが鮒寿しづくり条件となり、子持ちの鮒が鮒寿しになっているのは、田んぼに産卵に来る鮒を農家の人が捕獲したところにはじまるので、あえて子持ちの鮒を求めて捕獲したのではなく、半農半漁の生業(なりわい)のかたちが今の鮒寿しをつくることになった」と話されました。
最後に、石川研究員が、これからの「魚治」の活動について尋ねると、先代が残された家訓にある「歯車になれ」(変えてはならないものは確実に守り続け、次代に伝えなさい)という言葉を大切に、変わらず海津の風土を生かしながら、今の時代にあった活動をコツコツ続けていきたいと抱負が語られました。

左嵜氏に会場で実演もしていただきました。

左嵜氏に会場で実演もしていただきました。


参加者からの質問に応える左嵜氏

参加者からの質問に応える左嵜氏


【講師プロフィール】
1976年、滋賀県高島郡マキノ町海津(現高島市)に生れ。天明4年(1784)創業の老舗鮒寿し店「魚治」7代目治右衛門。’99年大学卒業後、京都吉兆嵐山店にて三年間の修行を積み、’04年 魚治七代目襲名し、一子相伝の鮒寿しの伝統を継承。現在、奥琵琶湖の料亭「湖里庵」にて鮒寿し懐石を提供する。鮒寿しの伝統を守りながら、食文化の本質を追求している。
【関連企画】 
近江のかたちを明日につなぐ展 vol.5「鮒寿しとその環境が教えてくれること」
2016年5月30日(月)~6月11日(土)10:00-17:00
会場:情報発信ギャラリー(聚英館一階)
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淡海の夢2016棚田・里山写生会 報告

日時:2016年5月28日(土)
場所:大津市仰木地区
講師:永江弘之(本学イラストレーション領域教授・近江学研究所研究員)
講師:板東勲(本学非常勤講師)
タイトル:淡海の夢2016仰木・棚田里山写生会
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あいにくの曇り空でしたが、水が張られた棚田の風景のなか参加者の皆さん思い思いの場所で熱心に写生されていました。
当日は比叡山国際トレイルレースも開催され、応援の仰木太鼓が響いて賑わっていました。
講評は辻尾地区の自治会館をお借りし、一日の成果を披露されました。
前回も参加された方から、前回の写生会での板東先生からのアドバイスを活かして写生しましたとのコメントもいただき、スタッフ一同励みになりました。

上仰木自治会館にて、はじめに永江研究員から写生についての説明とアドバイスがありました。

上仰木自治会館にて、はじめに永江研究員から写生についての説明とアドバイスがありました。


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辻が下自治会館にて作品の講評をする永江研究員(右)と板東先生(左)

辻が下自治会館にて作品の講評をする永江研究員(右)と板東先生(左)

特別公開講座 上原行照師「千日回峰行 山に溶け込むことから見えるもの」報告

日時:2016年5月14日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 体育館
講師:上原 行照 氏(千日回峰行 大行満大阿闍梨、伊崎寺住職)
タイトル:「千日回峰行 山に溶け込むことから見えるもの」

上原行照 師

上原行照 師


5月14日、今年度最初の講座として、特別公開講座を開催しました。
今回は、「千日回峰行ー山に溶け込むことから見えるもの」と題して、平成6年(1994)に千日回峰行を満行された上原行照大阿闍梨を講師にお迎えしました。
上原大阿闍梨は、「千日回峰行の舞台となる仏が宿る山は、様々な煩悩から守ってくれる包容力を持っている」と話され、また、9日間の断食・断水・不眠・不臥という難行の内容や、山上山下を距離にして7里半歩く意義など、わかりやすく解説されました。
たくさんのご応募をいただき、体育館にて講演を行いました

たくさんのご応募をいただき、体育館にて講演を行いました




最後に山に溶け込むことから見えるものとして、「山の修行は、行だけでなく洗濯や料理など全てのことを自分でしなければならないが、ふと他人が何かを助けてくれると、大きな感謝の念が湧いてくる。便利な世の中も居心地が良いかもしれないが、ちょっと不便な方が自らが動くことにつながり、本当の意味で、自己の危機を救ってくれることにつながる」と大切なメッセージを来場者に投げかけていただきました。
当日は、定員150名の3倍となる約400名が来場され、大学としては初めて体育館で講座を行いましたが、多くの来場者が熱心に上原大阿闍梨のお話に聞き入っておられました。
(報告:加藤賢治副所長)

開会のごあいさつ 木村至宏 (近江学研究所 顧問)

開会のごあいさつ
木村至宏 (近江学研究所 顧問)


閉会のごあいさつ 西久松吉雄(近江学研究所所長)

閉会のごあいさつ
西久松吉雄(近江学研究所所長)


【講座内容】
山中を7年間で千日間を歩き、5年目には、9日間の断食、断水、不眠、不臥を行うという比叡山延暦寺の千日回峰行は、数ある修行の中でも最も過酷なものとして知られています。なぜそのような修行が行われているのでしょうか。今回の特別講座では、平成6年(1994)に千日回峰行を満行された上原行照大阿闍梨を講師に迎え、山での厳しい修行の内容や、その行の中に見る思想、そして、現代社会へ向けてのメッセージも含めてお話しいただきます。
【講師プロフィール】
上原行照 師(千日回峰行 大行満大阿闍梨、伊崎寺住職)
姨倚耶山 伊崎寺 住職。1959年 群馬県前橋市生まれ。15歳で得度。’85年より比叡山に23年間こもり、’94年には千日回峰行を満行。天正年間以降48人目の大行満大阿闍梨となる。’06年に伊崎寺住職となり、’08年12月より下山して寺の発展に尽力している。
【関連企画】 
近江のかたちを明日につなぐ展 vol.4「千日回峰行 山に溶け込むことから見えるもの」
2016年4月25日(月)~5月14日(土)10:00-17:00
休館日:日祝、4/30~5/5、7日、8日
会場:聚英館1階フロア
展覧会場

展覧会場


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