近江学研究活動【仰木ふるさとカルタ】2012年度 始動!

2012 年 5 月 31 日

本研究所で2010年から3ケ年計画で取り組んでいる近江学研究「里山~水と暮らし」。
大津市仰木地域をフィールドに、大学教員が研究員を務め、学生と共に調査・研究を進めています。

その第2期として「仰木の生活文化の聞き取り調査 及び 仰木ふるさとカルタ」をつくるプロジェクトに取り組んでいます。
主担当は、風景画家でもある永江弘之研究員(本学イラストレーション領域教授)。
研究学生スタッフも12名参加し、進めています。

昨年度は、【仰木の生活文化の聞き取り調査】として、
仰木学区老人クラブ連合会にご協力いただき、【五感体験アンケート】を集めました。
「目に浮かぶ懐かしさ」「耳に残る音」「匂い」「感触・肌触り」「思い出の味」など、
五感を通して思い出したことをお聞きしたところ、
アンケート182枚、語句にすると1600文の思い出が集まりました。

そこから、言葉を読み合わせながら、11のカテゴリーに分け、図解にまとめていきました。

わからない言葉などについては、
7回ほど仰木の在所4集落(上仰木・辻ケ下、平尾、下仰木)へ伺い、
聞き取りしていきました。

祭のための藁草履づくりにも参加し、教えてもらいました。

祭のための藁草履づくりにも参加し、教えてもらいました。


綿から作った手織りのモンペと羽織。着る物すべて手作り。

綿から作った手織りのモンペと羽織。着る物すべて手作り。

食文化の聞き取り・体験ワークショップも開き、
仰木独自の納豆餅づくりなども地元の方に教わりながら経験しました。

そして、カルタになる仰木の生活文化をあらわす48の項目を選出。
学生たちは聞き取りをもとにイラストの下書きを進めてきました。

今年度は、いよいよ読み札づくり。
48の項目にあわせて、永江先生が読み札のたたき台を制作しました。

聞き取りをふまえて言葉と格闘しながら、読み札づくりをする永江研究員

聞き取りをふまえて言葉と格闘しながら、読み札づくりをする永江研究員

そして、カルタ読み札の語句の校正作業について
仰木の俳句会「畦草会(けいそうかい)」の皆さんのご協力を得ることができました。
畦草会は、明治終わり頃に発足した歴史ある俳句会で、仰木の4地区から参加しておられます。
現在10名の会員で行われ、月に一度句会を開き、11月の文化祭などで発表されています。

昨日5月30日(水)、句会に伺い、永江研究員より説明。
読み札の語句の使い方やリズムなど、
仰木のカルタとして問題ないかをご検討いただくことになりました。

さて、どんな読み札になるか、楽しみです!
6月中旬頃には、決定する予定です!

「八王寺山の家・自力建設プロジェクト」素材産地フィールドワーク

2012 年 5 月 30 日

プロジェクト特別実習A3として大岩剛一研究員が中心に取り組む「八王寺山の家・自力建設プロジェクト」。

5月26日(土)に、建設を行う現地へのフィールドワークへ、
学生9名と、この取組に関心を持った卒業生1名の10名が参加しました。
テーマは、木・藁・土・竹の産地を訪ねて。
地元の素材を使用した家づくりとなるため、その素材がある現場に足を運ぼうというものです。

案内に、上仰木の八王寺山を中心に地域活性活動を続けておられる
「八王寺組」のお二人にご案内いただき、
棚田の現状や、棚田保全活動として行われているオーナー制度やボランティア活動のお話、
また、山の管理や間伐材などの利用について地元でどのように取り組まれているのか、
地域の姿を知ることができました。
その様子を、報告します。


仰木の里から一歩入ると、1000年以上の歴史ある仰木集落が見えてきます。
大岩先生から地域の歴史についてレクチャー。ここから八王寺山を目指して歩きます。


八王寺組のお二人が合流し、棚田オーナー田についてお話を聞きました。


八王寺組の会長 Kさん。今回のプロジェクトの重要なキーパーソンです。
このプロジェクトに関わることで、卒業後もふとホームページを見てもらったり、
子供を連れて田植えに来てもらえたり、
そういう風にこの場所を思ったり、訪ねてもらえるようになったら嬉しい、と話されました。
「みんなで場所をつくる」という意味、そのものの言葉に、感激しました。


八王寺山からの眺望。遠く沖島や近江八幡、三上山、大津あたりまでが見渡せる絶景です。



小屋の建設を行う場所です。桜に囲まれたとても気持ちのいい場所です。
現場を確認し、図面と見比べて、スケールを理解します。



土を採取する場所を目指して歩いていると、お地蔵さまや大きなカエルにも会えました。


土の採取場所。八王寺組の方で、山仕事を主にされている方の土です。
きれいな色をしている、と大岩先生は嬉しそうです。


元棚田があった場所が荒れるため、いまヤギを飼っているそうです。
この写真の左手の竹林から竹を採取するとのこと。


手前の雑木林ではなく、奥の山の上にみえる場所から伐採した木を使用するとのこと。
現地までは行けないので、遠く見上げて場所を確認。


集落に戻り、神社など神様がまつられているカタチや場所を見ていきます。
ここは、幸神社(さいわいじんじゃ)。地元では「サイノカミさん」と呼ばれています。
集落の西限にちかい場所で、天神川が近くを通ることから、
民俗学的にも面白い場所ではないかと、推測できます。


最後は、仰木の産土神が集まる小椋神社をお参りし、
このプロジェクトが安全に取り組めますように、と祈願しました。

また、この日は翌日に控えた比叡山ヒルクライムの前夜祭が小椋神社で行われており、
屋台には仰木の食文化の象徴ともいえる「納豆餅」が販売されていました。
みんなでお餅をたべながら、仰木太鼓の演奏を聴くことができ、
充実したフィールドワークを終えることができました。

※追加
比叡山ヒルクライム前夜際について京都新聞で記事になりました
こちらから

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学生発表「なぜこのプロジェクトに参加したのか」

・自然・アート・建築に興味がある。一人ではできないことだと思い受講した。(イラストレーション領域1年)
・自力建設と聞いて、今年しかチャンスがないと思い参加した。(イラストレーション領域1年)
・都市の中で建築を建てるのではなく、人とのつながりの中で建ててみたいと思っていたから参加した。(空間デザイン領域1年)
・棚田や山が好きだから。(空間デザイン領域1年)
・風景を描くことが好きで、その中で建築にも興味を持っている。坂本なども素敵だと思っている。(イラストレーション領域3年)
・高校生の時に大学のカフェテリア結の自力建設の話を聞き、関心を持っていた。(イラストレーション領域3年)
・1年生の時から仰木のプロジェクトに参加し、歴史や民家、棚田など学んできたから関わりたいと思った。また、実際に家を建てるということを知りたいと思ったから。(空間デザイン領域3年)
・建築を自分で建てることに魅力を感じた。先輩の一押しの授業だったので。(空間デザイン領域1年)
・以前から八王寺山が好きだったので、関わりたいと思った。(環境デザインクラス4年)
・いつもは模型ばかり作っているので、素材を学び、建築をつくることに興味を持ったから。(環境デザインクラス4年)
・普段は公共建築に携わっているが、フィールドワークをすることが一番感性が磨かれると感じている。
どのように木材を乾燥するのか、など技術的なところも興味を持っている。(住環境デザインクラス卒業生)
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淡海の夢2012「堅田・湖族の郷」開催しました。

2012 年 5 月 28 日

5月26日・27日に淡海の夢2012「堅田・湖族の郷」を開催しました。
両日あわせて約40名の一般の参加者に、本学イラストレーション領域の学生さんたちも参加し賑やかな写生会となりました。
天候も両日とも晴れで暑い日差しのなかでしたが、参加者の皆さんは魅力的な堅田の町の写生を楽しんでおられました。


講評会では、一般参加者の力作を永江先生(両日担当)・待井先生(26日担当)・岸田先生(27日担当)が丁寧にかつわかりやすく制作のアドバイスをされ、参加者のみなさんにとって有意義な写生会になったと思います。

5/26永江先生(左)と待井先生(右)による講評の様子

5/26永江先生(左)と待井先生(右)による講評の様子


5/27永江先生(左)待井先生(右)による講評の様子

5/27永江先生(左)岸田先生(右)による講評の様子


次回の写生会は、6月23日・24日の仰木・棚田の写生会です。次回も晴れますように。

成安造形大学イラストレーション領域の日々blogにも写生会の様子が報告されています。
イラストレーション領域の日々ブログはこちらから

2012年度近江学研究所の公開講座についてはこちらから↓

近江学研究第3期「八王寺山の家・自力建設プロジェクト」始動!

2012 年 5 月 22 日

八王寺山全景 撮影:永江弘之

自力建設の舞台となる八王寺山全景 撮影:永江弘之

本研究所で2010年から3ケ年計画で取り組んでいる近江学研究「里山~水と暮らし」。
大津市仰木地域をフィールドに、大学教員が研究員を務め、学生と共に調査・研究を進めています。

これまでは、
2010年 第1期は、棚田での水利用についての調査、
築150年の民家の水利用や植生・信仰についての実測・聞き取り調査を行いました。
2011年 第2期は、仰木の生活文化の聞き取り調査と、
それをもとに「仰木ふるさとカルタ」をつくるプロジェクトを行ってきました。

棚田の水利システムについて地元の方に説明を受けながら調査

棚田の水利システムについて地元の方に説明を受けながら調査

食文化の聞き取りとして、「納豆餅」づくりを実体験しました。

食文化の聞き取りとして、「納豆餅」づくりを実体験しました。

本年度は、第3期目として、
上仰木地域で棚田保全活動や地域活性化活動に取り組んでいる
農業組合の有志で結成した「八王寺組」の皆さんの「拠点づくり」に関わります。

建築素材である「木、藁、竹、土」などを地元から採集し、
自分たちの手で建設する「自力建設」プロジェクトに参加・協力し、
家づくりの実践を体験しながら地域の素材と技術を学び、
地域住民との交流を深めていきます。

また、この取組は授業化されています。
先日5月16日(水)に第一回目の授業ガイダンス&レクチャーを行いました。

担当研究員: 大岩剛一先生(建築家・空間領域コース教授)

担当研究員: 大岩剛一先生(建築家・空間デザイン領域住環境デザインコース教授)

まず、大原研究員によりこれまでの2年間の研究調査活動についての報告がありました。
その後、担当研究員である大岩研究員が、スライドレクチャーを行いました。

仰木地域にて かつて行われてきた循環されながら資源を利用してきた持続可能な暮らしの中では、
建築素材である「藁」「竹」「土」「木」についても地元のものを使われ、「結」と呼ばれる共同体の協力で建設されてきた。
今回の自力建設でも、ほとんどの素材を仰木地域のものが使われることになりそうだと。


そして、2004年に成安造形大学の校庭に学生たちが自力建設した
「カフェテリア結」での取り組みについて報告されました。

間伐材を組み合わせた柱で躯体をつくる

間伐材を組み合わせた柱で躯体をつくる


カウンター下のストロー・ベイル(藁をサイコロ状にした塊)の上から土を塗る

カウンター下のストロー・ベイル(藁をサイコロ状にした塊)の上から土を塗る

学生が職人さんより学びながら、建設をはじめ、
ロゴマークや家具、照明のデザインに取り組んだ様子について話されました。

家具は住環境デザインクラスの学生によるコンペで選ばれた。

家具は住環境デザインクラスの学生によるコンペで選ばれた。


夜を徹して、作業を進めました。

夜を徹して、作業を進めました。

「場所を自分たちの手で作り出すこと」の意味を、
経験をとおして実感することができる貴重な貴重な経験となる研究プロジェクトになりそうです。

次回は、5月26日(土)に授業を行います。
関心のある学生は、近江学研究所窓口(聚英館1階)までお問い合わせください。

■地域連携推進センターのブログにも紹介されました! →こちら

研究員展覧会のお知らせ 「Seeds 河原林美智子展」

2012 年 5 月 18 日


ファイバーアート作家であり、テキスタイルアートコース非常勤講師、
また本年度より本研究所の客員研究員の河原林美智子による展覧会が京都で開催されます。
5月2日(水)放送のNHK「美の壺」にも、デザインされた麻のウエディングドレスが放映されるなど、
ご活躍です。
ぜひ、足をお運びください!

また、7月14日(土)に開催する公開講座「近江のかたちを明日につなぐ」第2弾である
「近江~まとうかたち湖東の織物-近江上布-」では、
伝統工芸士の大西實さんと、麻素材の魅力やその制作について対談します。
そちらもお楽しみに!

■展覧会について■
Seeds 河原林美智子展
2012年5月19日(土)~6月2日(土)12:00~19:00 木曜は休廊日です。
Gallery Gallery 
〒600-8018 京都市下京区河原町四条下ル東側 寿ビル5F
>>>地図

>>>「美の壺」詳細はこちら

>>>公開講座について

京都新聞「湖国探研-16」に加藤研究員が掲載されました。

2012 年 5 月 15 日

5月14日(月)に京都新聞の滋賀の研究者を取り上げたシリーズの記事「湖国探研」に、永江先生に続き加藤研究員が取り上げていただきました。
成安造形大学の職員でもあり、研究員でもある加藤研究員が、様々な転機で出会いがあり、研究に突き進んできた経緯が伝わる記事となっています。

加藤研究員は、今年度近江学フォーラム会員限定の講座でも、長年研究されている「仰木・堅田の祭礼」について講演します。

近江学の研究活動が、広く知られていくことがとても嬉しいです。