3月6日(土)、話題の大津市歴史博物館企画展「元三大師良源」を見学してきました。サブタイトルが「比叡山中興の祖」。最澄、円仁、円珍と続く延暦寺の系譜もいったんは力をなくしてしまいますが、この良源が疲弊した山内を復興します。サブタイトルはこのことに由来しますが、凄まじい改革を強い意志を持って断行したために、恐ろしい形相の天台座主のイメージが強く、良源自身が厄除の御札などになって民間信仰の対象になっていきました。
おみくじの元祖であるとか僧兵をつくったとか祈祷によって皇室の病を打ち払ったとか、たくさんの伝承が今に伝わっています。最澄や法然、親鸞などに比べると一般的には知られていない僧侶なのかもしれませんが、日本浄土教の祖ともいえる恵心僧都源信を弟子に持ち、自らが観音の化身であるとされた良源は、日本文化の基層をつくった魅力のある人物です。この展覧会の入り口から並ぶ全国各地より集まった元三大師像は圧巻です。
是非ともご高覧ください。4月18日(日)まで。一般800円/高大生400円/小中生200円

報告:近江学研究所研究員 加藤賢治